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中国調達:「やっぱり、次は高くても日本製を買おう」という残念な結末
2014-07-08 14:00

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誰も知らない中国調達の現実(227)-岩城真

  しばらく理論的な話が続いたので、久々に現場のリアルな話を書く。中国で製造した部品の検査に使うゲージ、みなさんは日本製を使っていますか、それとも中国製ですか?もちろん図面指示がJISであれば、JIS規格のゲージを使わなくてはならない。JISに準拠しているものならば、中国製であっても理屈のうえでは良い。しかし日本に持ち込む部品であれば、筆者は日本製を使っている。通常は日本製ゲージを中国のサプライヤーに貸与し、日本製のゲージで出荷前検査をさせ、合格品を出荷ということにしている。ところが、中国製のゲージを中国で購入し貸与したということがあった。理由はふたつ、検査の対象となるおねじは、位置決め用のナットを締結するだけの重要部でないこと。それに日本製と中国製では、価格差に5倍ほどの開きがあったことだ。
 
  問題が発生したのは、ゲージを貸与してから1年半ほどのこと。日本の工場に入荷した部品を日本で検査すると、ネジ不良なのである。日本製のゲージが通らないばかりか、ラフに作られているはずのナットさえ通らない。そのままでは、まったく使えない状態である。真っ先に疑われたことは、「現地で検査してないんじゃないか」ということだった。結論を先に書くと、現地では全数検査していた。むしろ全数検査していたから、このようなことになったのである。ところで、1年半の間にどの程度使用したのかというと、500回にも満たない計算になる。日本では500回未満の使用でゲージがダメになるなど考えられない。定期更正期間にも満たない。しかし、件の中国製ゲージを中国から送らせて確認すると、日本製のゲージが通らなかったネジに、中国製ゲージはするりと通ってしまったのである。

  原因は何か?ゲージが摩耗してしまったという以外に考えられない。元々中国製ゲージの精度が悪かったということはない。貸与当初から現在までの何ロットかは、まったく問題なく良品が送られてきている。即座に筆者は原因を推定できた。原因はふたつ、ゲージの耐久性に難があること、それにゲージの使用方法に問題があることである。

  まず、ゲージの耐久性。これは、筆者は工具商に以前確認したことがあった。メーカー間の価格差に疑問を持った筆者は、営業マンに「この価格差の原因は何ですか?」と訊ねた。彼は丁寧に説明してくれ、焼き入れが違うと教えてくれた。つまり検体のネジ山と接触するゲージのネジ山の硬さである。ちょっと話がそれてしまうが、焼き入れ、つまり熱処理というものはノウハウの塊みたいなもので、出来あがったものを分析しても、コピーできるものではない。製品を分解してスケッチすればコピーできてしまう機構部品と違うのである。要するに、中国製と日本製では耐久性が、まったく違うのである。ゆえに新品を比べてみても差異は認められない。

  ふたつ目の原因であるゲージの使用方法である。ネジゲージというものは、三本指で握るのが基本である。この基本が守られていない。掌で握って腕力のある人が力任せにねじると、ゲージがダイスやタップの役割を果たし、検体のネジ山を削ってしまうからである。実際に中国の工場を観察していると、やっているのである、まさにそれを。検査員がゲージをねじ込んで入らないと、工場内でもっとも力のありそうな大男を呼んできて、力任せにねじ込ませる、それでゲージが通ると、「OK了、OK了(OKになった、なった)」と言って検査合格、一件落着である。これじゃぁ、すぐゲージがいかれてしまう。

  このように、元々耐久性の劣る部品を荒っぽく扱う、しかし、価格差を考えれば、まめに買い替えてもペイする。これって、まさに中国の産業機械の使われ方と同じではないか。初期投資の小ささを考えると中国スタイルも捨てたもんじゃない、とも言えなくもないが、ゲージであれば品質を担保する確実性、産業機械であれば操業の安定性を考えると、やはり日本製を選び、日本らしく正しく使いたくなる。筆者は日本の国粋主義者ではないが、「次からは、高くても日本製を買おう」という結論になってしまう。グローバル調達を推進している立場からすれば、検査機器も早期に現地調達化するというのが、職務上の使命でもある。真に残念な結末である。(執筆者:岩城真 編集担当:水野陽子)













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